江戸の京むすめ「第25回 結婚式を終えた大親友へ」

彼女と出会ったのは高校2年生、1学期の終業式の日でした。アメリカへ1年留学していた彼女は学年を一つ降りて私たちのクラスへとやって来ました。

『2学期からお世話になります』

そう言い放った彼女は・・・
何ともまぁ・・・
ふくよかな体つきでした(笑)。

あれから10年。
去年やったかな、『彼氏が出来た!』と嬉しそうに言うてて、春には『結婚する!』ってさらに嬉しそうで、そしたら急に痩せて綺麗になって・・。

そやのに力不足ながらも彼氏代わりとして見守って来た私は、祝福してあげたい気持ちの反面
『本当に大丈夫なの?』
『この人でいいの?』
と・・不安ばかりが先行して、中々『おめでとう』って言えませんでした。

12月某日、京都宝ヶ池の某会場。教会の扉が開いて、俯き加減の彼女を見た途端、数日前、彼氏とのケンカ後に泣きながら電話をして来た時のことなど、色んな経緯が一斉に頭を過ったと同時にウエディングドレス姿がとてもまぶしくて涙が溢れました。

以下はそんな親友に宛てたメッセージです。
この場をお借りすることを予めお詫び申し上げます。

>ムチコへ

披露宴の準備から2次会まで、ホンマにお疲れさまでした。

本当はもっと早くにおめでとうって言いたかったんやけど、ケンカの話を聞く度に『やめとき!』とか『考え直したら?』としか言えへんくって・・ごめんね。あの日、お相手に会ったのは2回目やったけど、ダンナさまの横で幸せそうに笑ってるムチコを見て、ようやく安心出来たよ。

私は結婚ってまだ経験したことがないから偉そうな事は書けへんけど、ムチコがメールで書いてたみたいに『素直になる』ってすごい大事やと思う。

約30年も違う環境で生活して来た2人が同じ空間で“家庭”を築くんやから、そりゃあ揉めることもあるやろうし、腹が立つことも沢山あるはずやわ。たまには言葉を間違ってとんでもなく傷付けたり傷付いたりするかも知れへん。もしかしたら話す気力さえ無くなるかも知れへん。顔を見ることさえ嫌になるかも知れへん。

でもね、そんな時は、心の一番奥にある気持ちを引っ張り出してみて。そしてあの日の感動を思い出して下さい。『そんなん言うてももうどうしようもないわああああああああああ』と、内蔵が煮えくり返ってもうどうしようもなくなった時は、披露宴のDVDを持参の上、24時間営業の“ウチ”までお越し下さいな。ムチコ用のワインとビールはいつでも完備してあるよ!!

ムチコ、辛い時は辛いって言うんやよ。無理だけはせんと、何でも素直に言うんやよ。相手を大事にする以上に、自分のことも大切にせえへんかったら、きっと何処かでしんどくなってしまうから。

それとね、幸せはもらうモノでもあげるモノでもなくて、何気ない所にふと落ちてるモノ。そんな幸せのかけらを2人でた~くさん見付けて下さい。

これからもずっと見守ってる!!
ずっとずっと大好きよ!!

げーちゃんより

結婚式

P.S. 当日の偽胸、ちょと大き過ぎへんかったか???

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ナミ

東男の父と京女の母の元、途中まではお嬢様教育を施されたお転婆ワガママ一人っ娘。京都生まれの京都育ち、27歳。自称レストランサービスコーディネーター(自分で作った職業名)。 仕事=趣味の生き方が災いしてか、度重なる縁談にも縁がなく独身。イギリスではパブでライブを、フランスでは1つ星レストランで異次元な体験を・・そして帰国後に麻布十番から葛飾を経由して現在は江戸川のほとりで暮らしています。さてさて、ここでも素敵な出来事が目白押しの予感・・・。

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