江戸の京むすめ「第5回 お金、始末せな」

贅沢にも相方からある程度の家計を預かる身として、たまにそんな事をつぶやいてみたりします。『お金を始末する』つまり、『節約する』と言う意味なのですが、数年前まで私はコレが標準語やと思ってました。

今日は京言葉のお話です。

togetsukyo

京都人が東京を嫌っていると言う一般論(いや、ホンマあくまでも一般論ですって・・)は初回でもお伝えしましたが、実はさらに嫌うのが大阪と一緒にされる事です。京言葉は大阪弁でも関西弁でもありません。第一、京都は現標準語の起源。地方言葉ではないので“弁”は使いません。京都“弁”ではなく、京“言葉”なんです。

京言葉と大阪弁の違いなんて、他の地方の方にはなかなか判り難いかも知れませんが、関西訛りやからと言うて、京都の人に『大阪の人ですか?』なんて聞くのはタブー中のタブーです。絶対に『いいえ。京都どす(です)!』と、青筋交じりに反論されます。

みなさんは京都の言葉と言えばどのような印象を受けはりますか?柔らかい?嫌味?本心じゃなさそう?(笑)

『ぶぶ漬けでもどうどすか?』(お茶漬けでも如何ですか?)の裏には『はよお帰りやしとくれやす。』(早く帰って下さい。)

『ええおべべ着せてもろて宜しいねぇ・・』(いいお着物を着せてもらっていいですね。)の裏には『アンタさんにそのお着物は似合うてしまへんえ。』(あなたにその着物は似合っていませんよ。)

『こないだもろうたお湯呑み、使うの勿体のうて・・』(この間頂いたお湯呑み、使うのが勿体なくて・・)の裏には『しょーもないもんやった・・』(つまらないものでした・・)

と、まぁ確かに裏がある場合もありますね(笑)。

こないな事ばっかりを書いてしもたら、『何やねん京都!』と京都嫌いになってしまわはる方、はたまた『ばらさんといてよ!』と憤慨される京都の方に申し訳が立たないので、挽回の為に今スグ使えるお茶目な京言葉をご紹介します。

『おはようお帰り。』
行ってらっしゃい、に続いて言います。早く帰って来てね、と言う意味です。

『お気張り。』
頑張って!の意。

『おっちんしとき。』
子供の頃によー言われました。座っていなさい、と言う意味です。

『こっちおいない。』
こっちに来なさい。

『よろしお上がり。』
ご馳走様、と言われたらこう返します。

『おおきに。』
これは有名ですが、大阪弁とはアクセントが異なります。

ね?可愛いでしょ?お気に入りが見付かったら早速使(つこ)てみて下さい。

今日は最後に京都の“だるまさんが転んだ”を紹介して終わります。(小学生の時に学校で覚えたのをお家で披露したら、お母さんに「下品や」言うてしばかれました・・。)

『ぼんさんが屁をこいた。臭いだら臭かった。』

どないやねん・・。

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ナミ

東男の父と京女の母の元、途中まではお嬢様教育を施されたお転婆ワガママ一人っ娘。京都生まれの京都育ち、27歳。自称レストランサービスコーディネーター(自分で作った職業名)。 仕事=趣味の生き方が災いしてか、度重なる縁談にも縁がなく独身。イギリスではパブでライブを、フランスでは1つ星レストランで異次元な体験を・・そして帰国後に麻布十番から葛飾を経由して現在は江戸川のほとりで暮らしています。さてさて、ここでも素敵な出来事が目白押しの予感・・・。

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