江戸の京むすめ「第3回 大嫌いな産婦人科!」
女性の方になら大半はご賛同頂けるのでないでしょうか。・・・産婦人科の内診台。コレ、歯医者さんと並ぶ私の『大嫌い』です。
実は数週間前から下腹部に異常を憶え、2~3日周期で熱が出たり、リンパ腺が腫れたり、何だか大変な状況に苛まれていました。もし同じような症状で悩んでいらっしゃる人がおられたら・・と言う前提で思い切って公表しますが、5月に子宮ポリープの切除手術を受けている私は、もしかしてまた再発?と怖くなり、とにかく近くの産婦人科へ係る事を決意しました。
さて、困りました。葛飾に移り住んで1ヶ月、ある程度の土地勘が芽生えて来たとは言え、産婦人科が何処にあるのかやなんて知る由もなく・・。それでも偶然お買い物途中に見付けたとある医院を訪れ、診察を受けてみましたが、そこは何とも薄暗く、産婦人科なのに『おっしゃ!子供産むぞ!』ってな明るい雰囲気などみじんもなく、当然内診台に乗る気すら起こらなかったので、口頭で症状を伝え、簡単なアドバイスを受けて終わり。今日はそのリベンジで、立石にある『K産科婦人科』へと足を運びました。
先ず外観。普通です。中に入ると、そこで出産された方からのお便りが飾ってあり、奥に行くと同じく出産されたご夫婦と新生児の写真が可愛くディスプレイしてありました。受付の方はきちんと目を見てお話下さいます。初診用のアンケートを書き込んで提出すると、5分ほどしてお呼びが係りました。むっちゃドキドキ。恐怖心でしかないんですけど・・。
産婦人科でイヤなのは、話も聞かずに『取り敢えず(台に)乗って下さい。』なんておぞましい流れ作業を押し付ける所。絶対に勘弁です。ここもそないなひどいトコやったらどないしよう・・と思いながらドアを開けると、あら、そこにはとてもとても私好み(そう言う意味やなくて)のおじい様が座っておられました。
補足が必要ですよね(笑)。私、小さい頃から若いお医者様が苦手やったんです。耳鼻科であろうが、内科であろうが、歯医者さんであろうが、若い人が目の前に座ろうものなら、即座に暴れ倒してボイコット。しかしながら何ででしょうね、おじい様の先生やと落ち着くんです。泣かずにいたご褒美で飴ちゃんを手渡されたりしたら、病気でもないのに会いに行きたくなる位(笑)。地元で私が係っていた所は皆さん50代後半以上です。残念ながらお年を召してお亡くなりになってしまった先生も仰山いはります。
そんなおじい様大好きの私なので、K先生(副院長さん)をお見かけした瞬間に安堵感が漂いました。『どうぞお掛け下さい。』と、お茶でも出してくれはりそうな雰囲気。私の話もすごく熱心に聴いて下さって、内診台に乗るまでに緊張がほぐれて行くのが分かりました。
なのに、いざ内診になると、いつもながら足はガクガク。力が入ってどうにもこうにもならへんかったんですけど、カーテンで向こうが全く見えなくなっているのと、次に何をするか、何の為に何処を診るか、懇切丁寧極まりない説明付きで安心は倍増。途中からはちゃんと力を抜くことが出来ました。そして最後には炎症を起こしている箇所をモニターで見せて下さったので、『診られるだけ』の気持ちは払拭されました。
その後、もう一度診察室でお話。色んなイラストや基礎体温の基本的なサンプルグラフを駆使して、今私が抱えている症状に繋がったと考え得る原因や、それが快方に向かうための対処法、一方的に医者としての見解を言い渡すのではなく、病気とは関係ないような世間話も含め、『心配ないですよ。』の言葉を交えながら10分位は費やして頂いたと思います。知らない土地で初めて係る温かい診療に涙が出そうでした。
続いて注射と、検査の為の採血。ここでも看護婦さんがニコニコしながら話しかけて下さいました。『筋肉もあって強そうなのに、注射が怖いなんて信じられないわね(笑)。』と言われながら打たれたのは筋肉注射。むっちゃ痛い!はずやのに、痛くありませんでした。血を採るのも話している内に終わってしまい、注射嫌いの私が笑顔のままでいられました。
私の本職はサービスウーマン、ウエイトレスです。笑顔は基本。お客様に安心を与えるために・・と後輩たちにも口を酸っぱくして言って来ました。レストランで“おもてなし”の意味でも使われるホスピタリティーと言う言葉の基本が病院=ホスピタルから由来しているように、本当のソレが不安や疲れを持っている相手にこそ偉大な力を発揮する事実を、今回改めて痛感しました。
安心を得られる病院、K産科婦人科。
この土地で生きていこうとする私の支えになってくれた場所です