だって好きなんだもん「第3回・ホカホカご飯にのせるなら・・・。」
こんなネタを考えている私が今、猛烈に空腹である事は、例え賢明でない読者諸君にもお解りだろう。そう、私は空腹だ。就業時間も過ぎ、このエッセイを書くために残業?しているのである。
炊き立てホカホカの真っ白で艶々なご飯には、何が一番合うのか。人それぞれ千差万別、永遠のテーマだろうが、私のお気に入りを挙げるなら、筋子・梅干・ゆかり・塩鮭・鯵の干物、そして王様的存在は無着色のタラコ。
生で食べるのも良いが、レアーやウェルダンも捨て難い。タラコは美味い。しかし高級品だ。幼い頃は値段も考えずにバカバカ食べていたが、今となってはそう簡単に食べられる物ではない。勿論、安いものもあるが、イイトシしてコンビニで売っているような合成着色料バリバリの燃えるような赤色を購入する気にはなれない。
どうせなら、食べるのが勿体無いくらいの高級品をチビチビ味わいたい。しかし、その高級品をホカホカご飯にドカッと乗せて、シャカシャカかき込みたいという憧れもある。やろうと思えばいつでも出来るのだが、そういう簡単なことに限って案外なかなか行動しないものである。
実は・・・、タラコが王様だと思っていたのは今年の初めまでだった。ある食べ物と出会ってしまったお陰で、今までの王様は退くハメになった。御免。
それは、「河豚(フグ)の子の糠漬け」である。ご存知であろうか。
ある人から贈っていただくまでは私も全く知らなかった。 石川県の特産で、その名の通り河豚の子(卵巣)を糠に漬けてあるというシロモノ。その姿はかなり得体の知れない怪しい物体で、味噌のような黄土色に包まれたカラスミという感じ。手でちぎってほぐし火で炙り、表面がカラカラに焼けたら出来上がり。それをご飯にかけてそのまま食べるも良し、お茶漬けにするとこれがまた最高の風味。なんと表現するべきか。そのままで食べるとかなりショッパイが、酒好きにはやめられない止まらない堪らない。お湯をかけると丁度良い塩気になり、何杯でもご飯が食べられそうな気がしてくる。
初めて食した時の感動と衝撃は、今でも忘れられない。 とても塩が利いているので、その味を他に利用出来ないかと考えた。絶対オススメかどうかは判らないが、冷奴に軽く塩で揉んだキュウリの千切りを添え、河豚の子をパラパラと降り掛けてみた。うん、いいんじゃない?
パスタに和えてみた。悪くは無いけど勿体無いかも。
やっぱり一番美味しいのは、指に付けてチビチビとペロペロなめることかなぁ。 なんだかとっても貧乏臭いけど、呑兵衛は大好きよね、こういう食べ方・・・。あれ、私だけかしら???
今回も結局食べ物ネタになってしまった。
たまには恋愛とか人生とかマジメに語りたいのだが、 どうもこのエッセイを書く時間帯が悪いらしい。 そんな訳で、次回は一体どんな話題になるのやら・・・。