
地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします
| 第34回 美容室 ヘアーウィズ 店主 村松さん | ||||||||||||
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大泉学園に生まれながら長らく清瀬の美容室に勤めていた村松さんにとって、この街の「昼間の」表情は、じつは馴染みの薄いものだった。無理もない。朝早く店に出て夜遅くに帰ってくる生活では、いくら地元とはいえ、その日常を知る由もなかった。それでも独立を期して大泉学園に城を求めたのは、生まれ住む街を愛するが故の所作だろう。
だが、いざ物件を探し歩いてみると、彼女は街の変わりようにあらためて気付かされることになる。かつては商店がひしめき、肩を寄せ合うように軒を並べていた駅前の大通りでは、多くのビルが取って代わり、それぞれの高さを競い合っていた。雨宿りをするにも、スマートな現代建築が貸してくれる軒はない。かつてはたとえ曇天を恨めしく見上げても、軒下で偶然居合わせた地元の人々との何気ない会話に、心だけは晴れやかに洗われたものだった。そんなのどかであたたかい街の面影が失われている。大泉学園が発展する喜びとは裏腹に一抹の寂しさを覚えながら、村松さんは大通りのビルの一室に美容室を構えることにした。 駅に近いとはいえ、密集するビルの3階という立地が路面店に比べて利用者にアピールしづらいのは、想像に難くないだろう。周辺には立ち止まって空を見上げることのできる軒もなければ、習慣すら失くなりつつある。おまけにガラス張りではないため、ひと目でそれと気付いてもらえる造りでもない。「とにかく、たくさんのひとたちにお店の存在を知ってもらおう」彼女は、ダイレクトメールはもちろんポスティングにも精を出し、店の認知度の向上に努めた。 外に発信する傍ら、「お客さんにはできるだけリラックスしてほしい」という思いから、内装は自身の好むシックな色合いで統一した。3階の高さも表通りの喧騒を見事に遮断する。店内の雰囲気はまるで、アロマショップのそれのようだ。さらにこれまでの経験から、シャンプーはアシスタント、カットはスタイリストといった分業を廃し、可能なかぎり利用者と向き合うスタイルを心掛けた。その結果、スタッフの多かった以前の店に較べて顧客との会話が増え、より身近な接客ができるようになったのである。 村松さんはいう。「お客さんと話すのは楽しいですね。手話の得意なスタッフもいるので、耳の不自由な方にも気に入っていただいています。いろんなひとと出会い、多くのことを学べるのが、この仕事の楽しみ」彼女の姿勢と店の空気が寛ぎを促し、利用者との会話を滑らかにしているのだろう。 独立して4年、丁寧な接客とゲストを癒す環境づくり、そして発信の努力がいま、ようやく実りつつある。ある利用者は言った、「ここに来ると、静かで落ち着きますね」と。 「Wiz」すなわち“With”という名前に込めた思いに沿って、村松さんは地域とともに歩み愛される店を築いた。美容室の役割だけに留まらない安らぎを与える空間は、かつての大泉学園にひしめいていた「軒」のようである。 取材・文◎隈元大吾 |
![]() * 店主の村松さん * ![]() * 落ち着いた雰囲気の店内 * ![]() * 健康な髪を育てるメニュー * |
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美容室 ヘアーウィズ
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