
地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします
| 第12回 Hair Room hana 店主 橋本さん | ||||||||||||
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店内の壁の一画に、さまざまな名前が綴られている。「初心を忘れないように、この店を立ち上げたときにお世話になったひとたちの名前を書いたんです」自ら筆をとった橋本さんは、そう言いながら白い歯を見せた。「店づくりを手伝ってくれた家族や友人、またスタッフやお客さんに恵まれたおかげで、ここまでやってこれましたから」
橋本さんが青森から上京して専門学校に通い、美容業界に足を踏み入れたのは19歳のときだ。美容師の見習い期間は厳しく、鋏もなかなか握れない。なかには5年以上、修行を積む者もいるなかで、しかし彼は2年という短期間で、客の髪をアレンジする「スタイリスト」の座についた。 「ハングリーでしたね」と、橋本さんは自身を振り返る。 「一人前になるまで、余計なことは一切考えませんでした。やると決めたらできるだけ早く、スタイリストになりたかった。休まなくても苦にならない。休日を減らしてもらって練習し、テストやノルマをひたすらこなしました」 決めたことに邁進する姿勢は、昔から備えた気質が導いているのかもしれない。思えば高校時代、バスケットボールに熱中していた頃には、試合中にルーズボールを追うあまり相手選手と激突し、頬骨を骨折したことがあった。また美容師になると決意を固めると、父の反対をも押しのけた。「突っ走っていた」と苦笑いする10代はけっして、若気の至りに拠るものだけではないだろう。 スタイリストとなって10余年、その間に4つの店を歩いて経験を積み、結婚した。妻とともにいまの店を立ち上げ、この4月で3年が経つ。ゆとりある店内には利用者が互いに視界に入らないよう鏡を配置し、またお茶を飲むスペースも用意した。くわえてビルの一階部分に開いた店は、車椅子の利用者も無理なく入れるようにバリアフリーを整えている。 結婚前から美容ボランティアとして老人ホームを回っていた橋本さんにとって、重要なのはスタイリッシュな店構えではない。 「お年を召されても、綺麗でいたいと思う気持ちに変りはありません。だから歩くのが不自由な方にも気軽に利用してほしい。また美容室は団欒の場。ただカットだけして忙しなく帰るのではなく、お客さん同士でお喋りしたり、時間があればお茶の一杯でもゆっくりと飲んでもらいたいと思うんです。僕らも手が空いていれば、お客さんとお話ししたい。髪の手入れはもちろんですが、みなさんに寛ぎに来てもらいたいですね」 誰にでも、何歳になっても来てほしいと、彼は願う。壁に名前を認められた仲間たちやスタッフとともに歩んできた店には、まるで故郷に帰ったようなあたたかさが滲んでいた。じつは夫婦ふたりの姓の頭文字をとって名付けた「hana」という店名、すこし捩って「‘ohana」とすると、ハワイ語で「家族」を意味するのだという。期せずして生じたこのダブルミーニングも、一途に抱く橋本さんの初心が招いたように思えてならない。 取材・文◎隈元大吾 http://www.scn-net.ne.jp/~jps/ |
![]() * 店長の橋本さん * ![]() * お世話になった人達の名前 * ![]() * 花の描かれた店内 * |
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Hair Room hana
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