
地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします
| 第7回 コンフォート中島 店主 中島 博さん | ||||||||||||||
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勤めていたシューズショップが新たな事業に取り組もうとしたのは、11年前のことだった。流行やファッション性に主眼を置く従来の店とはべつに、健康を一番に考えた靴を扱いたいと、社長は話した。希望者を募ったとき、手を挙げたのは当時販売員だった中島博さん一人だった。「そのときは正直いって、新規事業の内容に魅力を感じた訳ではなかったんです。私も40歳を過ぎてましたし、店を切り盛りしたかったというのが最初の動機でした」と、中島さんは苦笑いする。 新しい店で扱うのは、おもに「コンフォート・シューズ」や「整形靴」と呼ばれる、医療目的でつくられた足にやさしい靴だった。インソール(中敷き)に手をくわえ、足を保護する。あるいは麻痺を伴う場合には、歩行を補う役目を果たすようにつくる。当然、知識や技術を要するため、彼は店を立ち上げると同時にセミナーに通い、以後1年半に渡り、ドイツから来たマイスターの手ほどきを受けた。 「靴は一番我慢してはいけない部分」と、中島さんはいう。 「靴もファッションの一環と捉えている人が大半だと思いますが、足に合わない間違った靴を履き続けていると、からだの違う場所にまで影響を及ぼしてしまうんです。外反母趾や開張足、腰痛、膝痛、こむら返りもそう。もちろん靴に総ての要因があるとはいえませんが、合わない靴を我慢しながら歩いていれば、余計なところに力が入り、負担がかかりやすい。だから本当は若い人にも履いて欲しいんです」 靴を扱う以前は、アパレル会社で働いていた。デパートやブティックを歩き回り、時代の流れにつねにアンテナを張っていた。だがあるとき気付いたことがある。 「欧米人はパーティーなど何か大切な場面だけ、服や靴、化粧の仕方を華やかにする。逆に日常生活では、努めてリラックスした格好をする。そういった使い分けが本当のオシャレだと思います。とくに欧米は室内でも靴を履く文化ですから、靴について 我々よりも気を遣っている。正装と普段着があるように、靴もオンとオフを考えて選ぶべきなんですよ」 流行をリードするファッション業界に身を置いていたからこそ気付いた、本当に大切にすべきことだった。 3年前には店長を勤めたシューズショップも辞め、自分の店を練馬に構えた。これまで1万人以上の足をみてきたが、「まだまだ」だという。 「奥が深すぎる仕事だと思います。足のかたちも悩みもひとによって違いますから、数多く接して経験を積むことが何にも優る勉強。お客さんにも、少しでも悩みや疑問があれば、なんでもいいから来て相談して欲しいですね。靴を合わせるだけでなく、悩みを最後までフォローするのが私の仕事ですから」 「痛かったところが治ったと言われるときが一番、やりがいを感じます。少しはお客さんの役に立ててるのかなって」自分のために始めた筈の仕事は、いつしか“ひとのため”に色を変えていた。中島さんにとって、もっとも心地いい瞬間である。 取材・文◎隈元大吾 |
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コンフォート中島
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