
地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします
| 第23回 ハワイアンジュエリー・雑貨 KE ALOHA (ケ アロハ) 中野さん | ||||||||||
|
「そう、こんな匂いかな」 店のマスターがおもむろに手に取ったのは、ココナッツ風の香りを穏やかに放つ細かな石だった。 「空港に降り立った瞬間にこんな感じの匂いがしますね。海が綺麗なところは世界中にたくさんあるけど、泳いだその足で買い物に行ける場所なんてなかなかない。おまけに向こうのひとたちは、日本人が英語を理解しようと頑張るのとおなじように日本語を解ろうとしてくれる。街は綺麗で安全、自然もあって気候もいい。いいところですよ、ハワイは」 そんなふうに白い歯を見せる中野さんとハワイとの“付き合い”は古い。初めて訪れたのは二十歳のころだ。10代のうちからサーフィンを謳歌していた青年は、ホノルルに暮らす親戚を頼りハワイの波を知って以来、頻繁に足を運ぶようになる。親が営む割烹料理店をともに切り盛りし、あるいは自らアパレルメーカーを経営するなど精力的に仕事に励んでいた彼にとって、この太平洋に浮かぶ島と日本との行き来は貴重な骨休めの時間となっていたことだろう。 ただ、楽しみは波乗りだけではなかった。ホノルル在住の従兄弟がLAでハワイアンショップを開いており、中野さんも訪ねて行くたびに一緒に仕入れ業者を回った。次第に興味が膨らみ、また従兄弟の勧めもあって、「Ke Aloha」を始めることに決めたのである。オープンは今年4月、ハワイと出会ってからじつに30年が経過していた。 選んだ場所は住まいのある葛西だった。奥さんが宝石類の仕事に就いていることもあり、当初はジュエリーショップをこぢんまりと営もうと思っていたという。しかし手ごろな物件が見つからず、思いのほか広いテナントが手に入り、ジュエリー以外にもフラダンス用グッズをはじめとするハワイの品々を幅広く扱うことにした。そして、これが奏功する。 「葛西には思っていた以上にフラダンスをされている方が多かったんです。教室を開いている先生もいれば、レッスンに通う生徒さんもいる。ダイレクトメールのリストは半年で400件に達しました。お客さんの8割が主婦の方ですね」 こうした利用者の反応を受け、ジュエリーのみならずレッスンバッグやTシャツ、キルトなど、中野さんはフラグッズにも力を入れるようになる。ハワイへ飛び品揃えの充実を図るほか、自らフラダンスの勉強も始めた。「皆さん元気で、すごくいいですよ」と舌を巻くほどに、ダンスを習っているお客さんからはパワーをもらい、また懇意にしている先生の発表会を観た際には、踊りから伝わってくる精神性に感動さえ覚えたという。 「ハワイが好きな人は多いと思うんですよ。でも、たとえば子どもが産まれたばかりとか仕事が忙しいとか、それぞれの事情で実際に行けないひとたちも少なくないはず。そんな方々にも、うちに来てハワイを感じてもらえればいいなと思っています」 ゆくゆくは卸にも力を入れたいと語る中野さんの、将来の展望は尽きない。途絶えぬ客足、葛西の一画にハワイの風が吹いている。 取材・文◎隈元大吾 |
![]() 中野さんお気に入りのサーフ系ブランド 「ホリスター」「アバクロ」は 国内で手に入りにくい貴重な品 ![]() いまハワイで流行の亀を モチーフにしたピアス。フラグッズを はじめハワイの品が多数揃う ![]() 週に一度ハワイアンキルト教室も 行なっている。ちなみに「Ke Aloha」とは ”最愛のひと”を表す |
|||||||||
|
KE ALOHA (ケ アロハ)
|
||||||||||



