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路傍の晶 キュア スペース 尾崎さん

コラム

地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします

路傍の晶

第21回 キュア スペース 尾崎さん

 悠久の歴史を刻む天然石は古くからよい気の流れを促し、持つ人の精神を落ち着かせると言い伝えられている。アジアでも有数の天然石集散地とされる台湾に生まれ育った尾崎さんにとって、このいわゆるパワーストーンは、「昔から好きで身に付けていた」と語るほどに身近な存在だった。
「石や水晶は見た目にも綺麗だし、持つと気持ちが落ち着きます。親友が長年パワーストーンのお店をやっていたので色々教わり、昨年、私もお店を開いたんです」

 扱っている天然石は幅広く、気に入ったものを自ら選び、自分の体のサイズに合わせてオリジナルのアクセサリーを作ることができる。本場から仕入れる石たちは、国内では希少なものも少なくない。

 日本人の母を持つ彼女が台湾を離れ日本に移り住んだのは、30歳を過ぎてからのことだ。以来、縁あって20年余りを東京は江戸川区で過ごしている。それゆえ、この地に対する思いは強い。
「下町で人情が厚い街。個人的にも愛着があるし、江戸川区が大好きです。だからパワーストーンで皆んなに幸せになってほしいという思いがあります」

人と接するのが好き、と語る。なるほど、それ以前は長年ホテルに勤め、サービス業に従事していた。そんな人なつこい性格ゆえだろう、「キュア・スペース」を昨年4月に開店してからというもの、客足はじわじわと増えていく。興味深いのは、それが単なる店と客というドライな関係に留まっていないことだ。たとえばフルーツや食べ物など何か頂き物があると、それを一人で暮らしている若者らに分ける。するとその礼を伝えるためだけに、彼らは店に立ち寄る。ときには友人を連れて店を訪れることもあった。あるいは、とある美学生の絵に感銘を受けて店頭に飾り、お返しに石をプレゼントしたこともある。店先で馴染みの利用者に飲み物を振舞い、話に花を咲かせることもしばしばだ。これらはほんの一例にすぎないが、そうした商売を越えた下町ならではの付き合いが、尾崎さんを中心に息づいている。

「感謝の気持ちと慈悲の心が大事」彼女は自身の思いをそう語る。
「ひとを大事にすれば、相手も気持ちを傾けてくれる。なにか問題を抱えていたとして、たとえ解決できなかったとしても話を聞いてあげることはできる。自分のささやかな行為で相手が幸せな気持ちになってくれたらなによりだと思います。健康であるかぎりお店をやり続けていきたいですね」

天然石が自然のパワーを与えてくれるのなら、尾崎さんもまた生まれながらの人柄で利用者に力を与えている。皆が集まってくる理由は他でもない。“キュア・スペース”――文字通り、訪れる者を癒してくれる空間だった。




取材・文◎隈元大吾

「江戸川区のみんなに幸せになってほしい」と語る尾崎さん
「江戸川区のみんなに幸せに
なってほしい」と語る尾崎さん


パワーを保つため、休ませて手入れをすることも大事だという
パワーを保つため、休ませて手入れを
することも大事だという


西葛西駅から徒歩3分の店には様々な天然石が所狭しと並ぶ
西葛西駅から徒歩3分の店には
様々な天然石が所狭しと並ぶ

パワーストーン・アジアン雑貨
キュアスペース
住所: 〒134-0088
江戸川区西葛西6-24-8 マジョーネ1階
アクセス: 東京メトロ東西線西葛西駅南口より徒歩3分
電話番号: 03-3680-9899
営業時間: 平日 11:00〜
土・日曜、祝日 12:00〜
定休日: 第3水曜


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