
地域に根ざしてご活躍をされている店主の方々へのインタビューをお届けします
| 第3回 特別栽培の八百屋 玄米工房 ベジブル篠崎店 店長 杉浦さん | ||||||||||
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「ベジブル」というその店名から連想できるとおり、野菜や果物の小売業を営む杉浦さんだが、かつては中卸、すなわち市場で野菜を仕入れ、小売店や業者らに納入する仕事に従事していた。 「もともと父が足立市場(現東京北足立市場)で中卸をやっていました。ただ20kgちかい荷を運ぶものですから当然、足腰に悪い。父も体を痛めながら働いていました。そんな姿を見て、『ひとりでは限界がある。自分が手伝ったほうがいい』と思い、始めたんです」 学生時代から夏休みや春休みなどの長い休暇を利用して、彼は父を手伝っていた。そのため、高校を卒業していざこの世界に入っても、なんの抵抗もなかったという。 転機が訪れるのは、ある挑戦がきっかけだった。まだ暗い夜中のうちから市場に出向き、昼にはすべての作業を終える日々に、杉浦さんは疑問を抱き続けていた。 「日中の時間をうまく利用できないだろうか」そこで思いついたのが、車の移動販売だった。彼は昼食を終えると、車に野菜を積み、陽が落ちるまで各地に足を延ばした。訪問先は足立区にとどまらない。埼玉まで車を飛ばすもあった。 「このとき初めて、小売の面白さを知りました」と、杉浦さんは言う。 「中卸の仕事は仲介でしかないですから、自分で販売してお客さんの声を直接聞けるのがうれしかった。また私の知らない調理法などを教えてくださる方もいて、勉強にもなりました」 消費者の声にじかに触れる喜びが、彼の背中を押した。およそ2年間の移動販売を経て、杉浦さんは20年以上に渡る主戦場ともいうべき市場を飛び出し、「ベジブル」を開いたのだった。 現在の店を構えて、この12月で丸10年になる。所狭しと並ぶ品々は全国から選りすぐり、さらに自身で足を運んだ契約農家の生産物まで揃えている。農薬の少ないものをリーズナブルに扱っている点も、彼のこだわっているところだ。 「生産農家の野菜は味が違いますよ。たとえば、このニンジン。無農薬で甘さがある。生でジュースにすれば、何も入れずに野菜自体の甘さだけでそのまま飲めます」 さらに移動販売のときに得た工夫だろう、それぞれにポップを付け、栄養面や効果的な使い方、おすすめの調理法も紹介している。利用者に尋ねられるなど、反響は上々だ。 「やはり、お客さんとのコミュニケーションが楽しいですね」杉浦さんは口元を緩める。 「『美味しい』という言葉を頂いたり、きれいに売り切れたときが一番うれしい。これからも安全で美味しい野菜を、いろんなお客さんに提供したいですね」 ところで、店名をベジタブルならぬ「ベジブル」にしたのには訳がある。 「『タ』を抜く、つまり“他を抜く”という思いで付けました。今後、お店を増やしていけたらいい」 さまざまな野菜を見続けて30余年、ほかにはない目をもって、杉浦さんはつぎの目標を見据えている。 取材・文◎隈元大吾 |
![]() お店は篠崎駅から歩いて3分という 好立地にある ![]() 冬はミカン、リンゴ、大根、ニンジン等がオススメ ![]() 中卸の目を活かして農産物を厳選する杉浦さん |
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ベジブル篠崎店
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